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ヨーロッパで確信、丸亀製麺は世界で戦える─それでもトリドール株に迷う理由

企業分析
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ドイツのミュンヘンとオーストリアのウィーンに1週間家族旅行に行きました。今回の旅ではスーパー・飲食店・走ってくる車など日常生活に目を向けて過ごしました。驚いたのは日本食の料理店が多く、日本の食文化が現地の人々の日常に少しずつ溶け込み始めているということです。

ウィーンWestfield Donau Zentrumの日本食レストラン

ウィーンWestfield Donau Zentrumの日本食レストラン

飛行機で10時間以上かかる遠い国で、日本の食文化が受け入れられている光景は、日本人として素直に嬉しく感じました。

一方で、日本食のお店は個人経営が中心で、価格は決して安くありません。から揚げが2,000円近く、ラーメンや寿司も日本では考えられない価格帯です。だからこそ、日本で磨き上げられたチェーン店の強さを改めて実感しました。

帰国翌日に丸亀製麺へ

帰国した翌日、真っ先に向かったのは丸亀製麺です。店内で打ったうどんはコシがあり、出汁の香りにほっとしました。

セルフ方式によってスムーズに料理が提供され、価格も3人で2,500円程度。子ども用のうどんカットなど、家族連れへの配慮も行き届いています。海外で日本食の高さを経験した後だったからこそ、「この品質をこの価格で提供できるのは本当にすごい」と感じました。

私は丸亀製麺の強みは、単なる「うどん屋」であることではないと思っています。店内製麺、セルフサービス、限られたメニュー構成、標準化されたオペレーションによって、高品質な商品を効率良く提供できる仕組みを築いています。職人の経験や勘に頼る部分が少なく、人件費が高い海外でも再現しやすいビジネスモデルです。飲食店というより、製造業のような強さを持ったチェーンといえます。

実際にウィーンではショッピングモールやターミナル駅に広い飲食スペースがあり、丸亀製麺のような店舗が出店できそうな場所も数多くありました。旧市街地のような歴史あるエリアでは店舗面積の確保が難しいと感じましたが、郊外型商業施設やターミナル駅の商業施設なら店舗面積を確保でき、十分に勝負できる余地があります。現地ではすでに日本食への認知度も高く、「うどん」という新しい選択肢が受け入れられる土台は整いつつあるように感じました。

トリドールの海外戦略に感じる不安

ただ、トリドールホールディングスの経営については気になる点もあります。丸亀製麺は高い競争力を持つ一方で、近年はラーメンやカフェ、ピザ、アジア料理など、さまざまなブランドの買収や育成にも積極的です。また、トリドールの海外売上比率は4割近くを占め、非流動資産比率は5割近くあります。2026年4月以降にトリドールHDはイギリスでは買収した事業の破綻申請をしました。のれん・商標権は2025年8月に買収した香港でスパイシー米線ヌードルを展開する会社で資産比20%に達し、自己資本比率30%のトリドールにとってかなりの規模を占めます。

トリドールHD有価証券報告書26年3月期

Tam Jai Internationalは香港で丸亀製麺を展開していた実績があり、買収によって香港での事業基盤を強化できた点は評価できます。一方で、マクドナルドのようにライセンス契約でも丸亀製麺を展開できたのではないかという疑問も残ります。企業を買収すれば、のれんや減損リスクを抱えるだけでなく、創業経営者ならではの当事者意識や挑戦する文化が薄れる可能性もあります。私は、買収によって事業を広げるよりも、丸亀製麺というブランドを軸にライセンス展開を拡大する方が、資本効率の面でもトリドールらしい成長戦略だったのではないかと感じています。

個人的な感覚では飲食業は海外でも競争環境が激しく、丸亀製麺以外の海外事業は超過利潤を生みだすのが難しく、減損損失のリスクが高いと思います。

私が期待するトリドールの未来

私は丸亀製麺が大好きだからこそ、「丸亀製麺に投資したい」のに、「うどん以外のブランド買収まで一緒に買うことになる」という点には少し複雑な思いがあります。トリドールは日本発のグローバルフードカンパニーを目指していますが、私はむしろ、グローバル「丸亀製麺うどんカンパニーを目指してほしいと思っています。

栗田社長は創業者として31%を超える株式を保有し、店長の年収を最大2,000万円に引き上げる制度を導入するなど、「人」を大切にする経営者です。その挑戦する姿勢には大きな魅力があります。しかし私が世界で見たいのは、「トリドール」という企業名ではなく、「丸亀製麺」というブランドです。

今回のヨーロッパ旅行で、日本食への関心の高さを肌で感じたからこそ、丸亀製麺には世界で十分に戦える力があると確信しました。だからこそ、経営資源を最も競争力のあるブランドへ集中させ、日本発の「グローバルうどんカンパニー」として世界中にその価値を届けてほしいと思います。

応援したいから100株買う

投資家として見れば、買収戦略や海外事業には慎重に見極めるべき点があります。それでも、一人の利用者として、一人の日本人として、丸亀製麺というブランドを応援したい気持ちは変わりません。

株価は決して割安とは言えないかもしれません。しかし今回は、企業価値だけではなく、自分が心から応援したいブランドへの一票という意味も込めて、100株を購入したいと思います。

株価指数

4,345円(2026.7.31)

時価総額385,599百万円(07/31)
配当利回り(会社予想)0.28%(07/31)
1株配当(会社予想)12.00円(2027/03)
PER(会社予想)(連)54.57倍(07/31)
PBR(実績)(連)4.13倍(07/31)
EPS(会社予想)(連)79.62(2027/03)
BPS(実績)(連)1,051.11
ROE(実績)(連)2.57%
自己資本比率(実績)(連)29.9%

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