ここ2ヶ月ほど、半導体関連銘柄の株価が下落しています。生成AIを中心に半導体需要は今後も拡大すると予想されており、これまでは金利が上昇しても「将来の成長性」を理由に、高いPERを許容する雰囲気がありました。
しかし、最近は少し潮目が変わったように感じます。金利上昇が続けば、将来の利益を現在価値に割り引く際の割引率も上昇します。特に将来の成長を織り込んで株価が高くなっていた成長株は、業績そのものが悪化しなくてもPERが低下する可能性があります。そのため、半導体業界の長期的な成長性には期待しながらも、株価についてはこれまでより慎重に見る必要があると考えています。
半導体製造装置メーカーは、それぞれの工程で高い技術力や顧客との関係を築いており、簡単には新規参入できません。そのため、半導体市場の成長が続くのであれば、株価が割安になったタイミングで少しずつ購入していきたいと考えています。今回は、半導体関連銘柄の中でも特に高い利益率と技術的な参入障壁を持つレーザーテックを調べてみました。
半導体向けマスク・マスクブランクス欠陥検査装置。
EUV品は独占。
受注から検収まで1年超四季報
沿革
1960年 東京都目黒区において設立
1971年 磁気テープ走行中のテンションを測定する「テンションアナライザー」を開発
1975年 LSIのフォトマスクのピンホールを発見する検査装置を開発
2004年 株式上場
2009年 太陽電池の変換効率分布を可視化する測定器を開発
2019年 世界で初めてEUV光を用いた欠陥検査装置を開発
事業内容
光応用技術を用いた半導体関連及びその他の検査・測定装置等の設計、製造、販売並びにこれらに係るサービス
業績
| 業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
| 連23.6 | 152,832 | 62,287 | 63,668 | 46,164 | 511.9 | 180 |
| 連24.6 | 213,506 | 81,375 | 82,021 | 59,076 | 655.1 | 230 |
| 連25.6 | 251,477 | 122,843 | 119,444 | 84,652 | 938.6 | 329 |
財務諸表 単位:億円(%:資産/売上に対する比率)
資産
現金預金861(26%)
仕掛品・原料及び貯蔵品1,690(51%)
有形固定資産303(9%)
負債
有利子負債0
純資産
自己資本比率73%
配当性向38.1%
利益剰余金2,066(63%)
損益計算
売上高
営業利益率49%
経常利益率47%
当期純利益率34%
キャッシュフロー
投資額
| 科目 | 前期 | 当期 |
| 減価償却費 | 47 | 47 |
| 固定資産に対する支出 | 35 | 23 |
株主還元
| 科目 | 前期 | 当期 |
| 自己株式の取得 | 0 | 0 |
| 配当金の支払 | 181 | 245 |
株価 個人的な購入価額
34,570円(2026.9.11)
時価総額3,259,481百万円(09/11)
配当利回り(会社予想)1.02%(09/11)
1株配当(会社予想)351.00円(2027/06)
PER(会社予想)(連)34.43倍(09/11)
PBR(実績)(連)12.55倍(09/11)
EPS(会社予想)(連)1,004.12(2027/06)
BPS(実績)(連)2,753.84
ROE(実績)(連)33.93%
自己資本比率(実績)(連)73.3%
直近5期の平均EPS:519円
需要・顧客構造(▲5%):
売上高は日本国内の比率が低く、米国、台湾、韓国など海外の顧客が中心です。また、インテル、TSMC、サムスンの大手3社への売上依存度が高く、特定顧客への集中が大きい点には注意が必要です。
これはレーザーテックの強みと弱みが表裏一体になっています。最先端半導体を製造する大手メーカーが設備投資を増やせば、レーザーテックにも大きな受注が入ります。一方で、これらの大手メーカーが設備投資を抑制すれば、レーザーテックの受注にも影響します。

半導体製造装置メーカーは、半導体メーカーよりも設備投資の変動を強く受ける傾向があります。特にレーザーテックの場合、1台あたりの装置金額が大きく、受注から売上計上まで時間がかかるため、業績が変動するときには数字が大きく動く可能性があります。
また、半導体業界は浮き沈みが大きく、短期的には需給バランスの崩れで市場規模が大きく変動し、予期せぬ急激な需要縮小により、顧客が設備投資の凍結や先送りを行う可能性があると思います。
競争環境(+50%):
半導体検査装置はKLA(米国)、アドバンテスト、テラダイン(米)、レーザーテックの4社が大手です。レーザーテックは最も規模が小さく、1位のKLAの10分の1ほどの売上高です。
ただし、半導体製造工程は非常に複雑であり、すべての検査装置が同じ技術で作られているわけではありません。レーザーテックは特にマスク・マスクブランクス関連の検査装置に強みを持ち、EUV関連では世界唯一の製品や高シェア製品を展開しています。このような特殊な検査装置は、単純に資金を投入すれば新規参入できるものではありません。光学技術、検査技術、ソフトウェア、顧客との共同開発など、長年積み上げてきた技術やノウハウが必要になります。
そのため、私はレーザーテックの最大の企業価値は「高い利益率」そのものではなく、高い利益率を長期間維持できる技術的な参入障壁にあると考えています。
ビジネスモデルの有望性(+50%):
生成AIやエージェント型AIの普及によって、CPU、GPU、HBMなど先端半導体への需要が拡大しています。レーザーテック自身も、AIデータセンター関連需要を背景として半導体市場の成長が続いていると説明しています。
さらに半導体の微細化が進めば、製造工程における検査の重要性も高まります。「半導体を作るための装置」だけではなく、「その半導体を正しく作れているか確認する装置」が必要になるからです。特にEUVのような最先端技術では、わずかな欠陥が歩留まりに大きな影響を与えるため、検査・計測の重要性は今後も高まると考えています。
ただし、短期的には注意が必要です。現在は世界各地で半導体工場の新設や設備投資が進んでいます。設備投資が増えている間はレーザーテックにとって追い風ですが、設備投資が一巡すれば新規装置の需要が一時的に減少する可能性があります。
株主優待(+%):なし
個人的な好み(+5%):
自己資本比率が高く、財務が安定しています。利益率が極めて高く、魅力的ですが、株価は割高過ぎだと思います。
レーザーテックはファブレス経営を行っていますが、仕掛品の保有額が多いです。半導体メーカーとは受注生産であり契約によりキャンセルになり損失を計上する可能性は低いと思いますが、半導体市況が大幅に悪化するとレーザーテックの納入を先送りにするように言われ、売上高が経たないということはありそうです。大口需要家が納入先であり、市況悪化は納入先からの値下げ圧力にもつながると感じます。
個人的な目標株価
PER519×14倍=7,266
PBR2,754×0.7倍=1,928
プレミアム4,597×0.95×1.5×1.5×1.05=10,317
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上

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