スポンサーリンク

オカムラ食品工業、スシローの青森産生サーモンに感動、株主優待負担は大丈夫か?

企業分析
スポンサーリンク

オカムラ食品工業の子会社である日本サーモンファームが青森近海でサーモンを養殖しています。スシローでは青森産生サーモンを期間限定で提供しています。初夏までの今の時期だけ生でサーモンを楽しめます。皮目の脂の乗りが抜群で、食べ応えも良く、冷凍サーモンよりも格段に美味しかったです。TBS系のジョブチューンのスシロー特集でも取り上げられており、注目度アップに期待が持てます。

オカムラ食品工業は昨年の上場後、矢継ぎ早に株式分割と株主優待拡充を進めています。優待変更の影響、サーモン業界分析を調べ、サーモン食べ比べの感想を紹介します。

株式分割による優待コストは大丈夫?

23年に上場

オカムラ食品工業は2023年9月に上場しました。青森県に本社を置き、サーモン事業を展開しています。養殖業は16%で、国内加工が23%、海外卸・海外加工が5割以上を占めているグローバル企業です。

株主構成

直近2024年12月末の大株主の状況を見ると、オカムラと名の付く株主が議決権の64%を占めています。東証の上場維持基準には流通株式比率というものがあり、プライム市場では35%以上、スタンダード市場では25%以上が条件となっています。なお、主要株主・役員・特別利害関係者は流動比率対象外になるので、流通株式比率は35%を下回ると思います。

オカムラ食品工業はスタンダード基準に上場しています。今後、会社の成長に伴い、プライム市場を目指しても今の株主構成では満たしていません。立会外分売という既存株主の株を市場にディスカウントして売り出す方法で市場の流通株式数を増やすことができます。オカムラ食品工業では24年11月から立会外分売を進めています。ただし、立会外分配は市場価格より3%ディスカウントされ売り出されるので、一時的には株価の下押し圧力になります。

所有者別状況

オカムラ食品工業は、24年12月に2分割し、25年6月に3分割する予定です。発行済株式総数は80千単元(8百万株)×2×3≒490千単元(49百万株)になります。

今回の株主優待変更は以下の通りです。

2026年6月期の株主優待は、持株数に応じて優待商品をもらえます。


「個人その他」のうち28%は岡村家なので全体の5%程度が100株株主、それ以外の株主が600株以上有する仮定すると、

(158百万株÷100)×5%×3,000円=238百万円
3,463×2×3×95%×7,000円=138百万円
計376百万円、約4億円が株主優待コストになると予想しています。

26年3月期の当期純利益が21億円なのでインパクトが大きいです。今期の配当水準で6円(19円÷3分割後)なので100株換算で配当金600円。対する株主優待は3,000円なので、優待が豪華過ぎます。

費用負担が大きいのでプライム市場への移行が達成した後(27年6月以降?)は株主優待が改悪すると見ています。

サーモン養殖のブーム

近年日本全国でサーモン養殖が盛んになっています。マルハニチロが富山で三菱商事と共同で陸上サーモン養殖を始めたり、川崎重工が神戸でサーモン養殖を始めたり、JR四国が瀬戸内海でトラウトサーモンの養殖を始めたりしています。

地下水を利用する陸上養殖であれば、漁業権や水利権を確保する必要がなく、比較的容易に参入できるようです。ただ、ご当地サーモンは、小ぶりな養殖場が多く、日本全国に供給する量は養殖できないようです。

日本における生食用サーモンの市場規模は約10万tで約2~3割が国内養殖です。オカムラ食品工業は青森近郊の山と海に養殖する施設を有しており、漁業権も確保しており、大量生産できる能力があります。

25年2月に公表した中期経営目標では、2030年に現状の3倍、国内生食サーモンの1割を占める水準まで増産する計画です。

オカムラ食品工業HP中期経営計画

世界中で寿司の人気が高まっており、スシローでは海外の利益率が国内利益率を上回っています。世界のサーモン市場は、北欧とチリが圧倒的ですが、東アジアの需要については距離的に日本産サーモンの優位性が高いです。人口が増加している東アジアの富裕層の需要を取り込み、業績を大きく拡大できると感じます。

優待改悪リスクはありますが、2030年までの成長に期待し、短期の株価を無視しても5年間持ち続けたいと思います。

サーモンの食べ比べ

関西圏のイオンのスーパーに日本サーモンファームの生サーモンが置いてありました。ご当地サーモンの富士サーモンやノルウェーサーモンもありましたが、ピンク色が濃く、青森生サーモンの方が圧倒的に美味しそうでした。値段は500円/100gと輸入サーモンよりもお高めでした。明日買えば良いやと思った次の日。イオンのスーパー2店舗梯子しましたが、ノルウェー産とチリ産しかありませんでした。残念。

代わりにスシローで対決しました。ちなみに回転寿司のネタの魚は約8gと言われており、スシローにおいて120円で提供されている生サーモンのネタの原価は40円だと思います。

左下が生サーモンで、右の2貫が普通のサーモンです。小学生の自称海原雄山先生(娘)に、食べ比べをしてもらいました。左が脂の乗りが良く、香りも良いとのこと。

念のため、スシローで生サーモン祭りをしました。

脂の乗りが抜群でした。回転寿司で食べたサーモンの中で最も旨い!!何皿でもいけます。

青森で水揚げされたサーモンは、青森市内の加工工場で内臓とえらが取られ、全国7つのスシローの加工場に運ばれます。ここで3枚におろされ柵になったネタは、スシロー店舗で寿司のサイズに切られ提供されます。

スシローの味への執念があったからこそ、青森産生サーモンの美味しさが担保できるのだと思います。

株価・指数

オカムラ食品工業

2,800円(2025.5.30)

時価総額45,834百万円(05/30)
配当利回り(会社予想)0.68%(05/30)
1株配当(会社予想)19.00円(2025/06)
PER(会社予想)(連)21.75倍(05/30)
PBR(実績)(連)2.91倍(05/30)

EPS(会社予想)(連)128.74(2025/06)
BPS(実績)(連)962.27
ROE(実績)(連)16.32%
自己資本比率(実績)(連)36.1%

FOOD & LIFE COMPANIES

6,186円(2025.5.30)

時価総額718,004百万円(05/30)
配当利回り(会社予想)0.48%(05/30)
1株配当(会社予想)30.00円(2025/09)
PER(会社予想)(連)36.83倍(05/30)
PBR(実績)(連)8.18倍(05/30)

EPS(会社予想)(連)167.95(2025/09)
BPS(実績)(連)756.46
ROE(実績)(連)19.78%
自己資本比率(実績)(連)21.0%

以上

コメント

タイトルとURLをコピーしました