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車は浪費されどトヨタは割安、インフレ時代に“新車”と“自己株買い”を考える

企業分析
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インフレ時代に「クルマを買う」という投資行動―トヨタ自動車と豊田自動織機TOBを読み解く

最近、周囲で自動車を購入する人が増えている気がします。単なる偶然かと思っていましたが、よく考えるとこれは合理的な行動なのかもしれません。

物価が年率2%で継続的に上昇する世界では、「欲しいものは先送りするほど高くなる」という前提が成り立ちます。自動車も例外ではなく、来年買うよりも今年買った方が相対的に得になる可能性が高い。特にトヨタ車やスバル車は新車の人気が高く、契約から納車まで1年以上かかるケースも珍しくありません。

その結果、「今すぐ車が必要」という層は中古車市場に流れ、中古車価格は上昇。新車の値下がり率も抑えられ、リセールバリューが高止まりする――。
こうした需給構造を見ていると、新車購入はもはや“消費”というより、“インフレ耐性のある耐久財への投資”に近づいているように感じます。

自動車不要論者だった私の心境の変化

私は長らく自動車不要論者でした。駐車場代、保険料、税金、メンテナンス費用……。しかし最近、その考えが少し変わりつつあります。
もし自分の車があれば、思い立ったときに渓流釣りに行ける。車内には釣り道具を常備でき、行動の自由度は格段に上がります。そして何より強烈なのが、「リセールバリューが高いから資産価値がある」という魔法の言葉です。ランニングコストは確かにかかるものの、いざとなれば売却して資金化できる。これは心理的にも財務的にも、新車購入を強力に正当化してくれます。

欲しい車はRAV4――投資としても悪くない?

渓流釣りが好きな私にとって、トヨタのRAV4は理想的な一台です。
妻への説得材料として、こんな主張をしています。

「契約から納車まで1年以上かかる。納車時に大幅に値上がりしていれば売ればいいし、値下がりしていなければ渓流釣りで乗り潰せばいい。どっちに転んでも損はしない」

以前なら机上の空論でしたが、今のリセール環境を見ると、あながち的外れとも言えなくなってきました。

トヨタ自動車3Q決算と“静かな資本政策”

トヨタ自動車は2026年3月期3Q決算を公表しました。同時期に進んでいる豊田自動織機のTOBもあり、マーケットにはどこか「今期は株価を無理に上げたくない。そっとしておいてほしい」という空気感があります。

豊田自動織機TOBの意味

トヨタ自動車の源流は、豊田自動織機の自動車部門が分離独立したことにあります。
現在も両社は株式の持ち合い関係にあり、豊田自動織機はトヨタグループの中で「資本の要」とも言える存在でした。この構造は、裏を返せばアクティビストにとっての急所でもあります。豊田自動織機の株式を押さえれば、間接的にトヨタグループ全体へ影響力を及ぼせるからです。かつてのTBSとニッポン放送の関係に近い構図でしょう。

TOB価格引き上げの背景

当初のTOB価格は16,300円でしたが、2026年1月13日に18,800円へ引き上げられました。豊田自動織機は以下の主張をしていますが、背景には、アクティビストのエリオットによる買い増しがあります。

2026年1月14日豊田自動織機プレスリリース


エリオットの保有比率は、2025年9月末は3.26%に急に株式保有を開始しました。この存在が、価格引き上げを事実上“強制”した形です。

豊田自動織機 四半期報告書26年3月期(2Q)

しかし、エリオットは1月14日のTOB価格に納得しておらず、引き上げ後も買い増しを進めており、2月5日時点で7.14%まで買い増しを行っています。

TOB成立の行方

  • TOB期間:2026年1月15日〜2月12日
  • 決済開始:2026年2月19日
  • 応募下限:発行済株式数の42%

大株主構成を見ると、その他法人が大多数を占め、トヨタグループで約4割を保有しています。TOB成立自体は高確率と見ています。

豊田自動織機 有価証券報告書26年3月期(2Q)

ただし、その後の非上場化(スクイーズアウト)には総議決権の2/3以上が必要です。
現在の株価は18,800円を上回る19,575円。エリオットの動向次第では、最後まで緊張感のある展開が続きそうです。

なお、私はこのエリオットのやり方に憤りを感じています。トヨタグループ3社の株価が上昇しているので、TOB価格を引き上げることには納得できますが、引き上げた価格からさらなる引き上げを要求するのは厚顔無恥だと思います。本当に割安だと思っていたのだったら、TOB公表前の2025年5月以前に購入をしていれば、良かったのだと思います。今回のTOBで2/3以上の賛同が取れて、スクイーズアウトが無事成立してもらいたいです。豊田自動織機はエリオットと株式買取価格で泥沼化するかもしれませんが、トヨタの精神である長期株主に報いる、という姿勢が認められて欲しいです

トヨタ自動車の自己株式取得とEPSインパクト

トヨタ自動車は、豊田自動織機が保有するトヨタ株を引き取る形で、議決権比率9%に相当する自己株取得を実施します。

  • 当初予定:3兆円
  • 現在:最大4兆円規模
トヨタ自動車2026年1月14日 東証プレスリリース

2月中旬に実行される可能性が高く、3Q時点のEPS予想(274円)には完全には織り込まれていません。

仮に1.5か月分の自己株取得効果を加味すると、

  • 今期EPS:274円 → 約277円
  • 来期EPS(当期純利益ベース):約301円

トヨタは明確な配当性向目標を掲げていませんが、EPSの底上げは増配・追加自己株買い余地を着実に広げます。

トヨタ26年3月期(3Q)の業績

トヨタ自動車26年3月期(3Q)決算短信

3Q実績の営業利益進捗状況は84%です。順調に推移しており、通期業績予想も上方修正しています。EPS273円でPER13.8倍なのでかなり割安だと言えます。

世界の自動車産業ではEV一辺倒の動きから、ガソリン車への揺り戻しが起きています。とよたはハイブリット車で高い技術と優位性があり、来期以降も好業績を維持できると予想しています。

株価・指数

3,780円(2026.2.6)

時価総額59,705,053百万円(02/06)
配当利回り(会社予想)2.51%(02/06)
1株配当(会社予想)95.00円(2026/03)
PER(会社予想)(連)13.80倍(02/06)
PBR(実績)(連)1.26倍(02/06)

EPS(会社予想)(連)273.92(2026/03)
BPS(実績)(連)2,990.37
ROE(実績)(連)13.59%
自己資本比率(実績)(連)38.1%

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