スシローの回転設備を見ていたら、三ツ星ベルトのマークを発見しました。デジローになり、寿司が回転しなくなりましたが、各テーブルまではベルトで配送されています。スシローが大健闘しており、店舗数拡大による業績アップも期待できるので、調べました。
Vベルトなど伝動ベルトの大手。
自動車用中心に産業機械用、OA機器に製造販売。
建材も四季報
沿革
1919年 神戸本社現在地において、小田源蔵個人経営による木綿ベルトを主製品とする会社を設立
1936年 コンベヤベルトの製造開始
1940年 V型ベルトの製造開始
1947年 香川県に四国工場を建設し、平型ベルトの製造開始
1958年 株式上場
1986年 滋賀工場を建設(ケーブルコードの樹脂加工設備の増設)
1999年 京都府綾部市に綾部生産システム開発センターを建設
2023年 子会社ネオ・ルーフィングが日本水研より土木防水工事に関する事業を譲受
事業内容
ベルト、建設資材等の製造及び販売等の事業活動
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連22.3 | 74,870 | 7,640 | 8,552 | 6,380 | 220.3 | 143 |
連23.3 | 82,911 | 9,030 | 10,471 | 7,071 | 249.1 | 250 |
連24.3 | 84,014 | 7,759 | 9,605 | 7,102 | 250.4 | 250 |
連25.3予 | 90,510 | 8,928 | 9,154 | 9,060 | 320.3 | 186 |
セグメント

財務諸表 単位:億円(%:資産/売上に対する比率)
資産
現金預金316((25%)
有形固定資産322(25%)
投資有価証券162(13%)
前期226億円から大幅に減らしています。前期トヨタ株を133億円保有し、JSR・三菱UFJ・日伝・帝人も有しています。前期当期ともに投資有価証券を売却しています。
負債
有利子負債53(4%)
純資産
自己資本比率74.7%
配当性向58.1%
利益剰余金710(55%)
自己株式▲60(▲5%)
その他有価証券評価差額金99(8%)
損益計算
売上高
営業利益率9.9%
経常利益率10.1%
当期純利益率10.0%
投資有価証券売却益
前期11(1.3%)、当期35(3.8%)
キャッシュフロー
投資額
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 43 | 47 |
固定資産 に対する支出 | 50 | 70 |
株主還元
科目 | 前期 | 当期 |
自己株式の取得 | 0 | 12 |
配当金の支払 | 72 | 61 |
投資有価証券の売却による収入
前期12億円、当期35億円
株価 個人的な購入価額
3,530円(2025.5.23)
時価総額109,798百万円(05/23)
配当利回り(会社予想)5.27%(05/23)
1株配当(会社予想)186.00円(2026/03)
PER(会社予想)(連)14.61倍(05/23)
PBR(実績)(連)1.04倍(05/23)
EPS(会社予想)(連)241.59(2026/03)
BPS(実績)(連)3,403.14
ROE(実績)(連)9.34%
自己資本比率(実績)(連)74.7%
直近5期の平均EPS:236円
需要・顧客構造(▲10%):
主力である伝動ベルトは、自動車産業、一般産業、農業機械産業、情報機器関連産業、建設資材産業等向けであり、設備投資の動向に業績が大きく左右されます。補修用ベルトも扱っていますが、景気動向によって消耗度合が変わってくるので、やはり景気による変動は大きそうです。
競争環境(+5%):
Vベルトは三ツ星ベルトとバンドー化学が大きなシェアを有しています。どちらも長い歴史があり、神戸市中心部に本社があり財務が盤石です。熾烈な価格競争をする可能性は低く、三ツ星ベルトは研究開発に32億円を支出しており、長い歴史に裏打ちされた信頼性も高いと思います。ただ、中国の安価品も存在し競合になり、競争環境は安泰ではなさそうです。
ビジネスモデルの有望性(+10%):
主力のVベルトは、自動車部品分野が55%を占めており、トランプ関税による自動車産業の落ち込みの影響を大きく受けそうです。
一方、スシローはデジローという各テーブルに直接配送するシステムを新たに導入しています。食品搬送用途樹脂コンベヤベルトを採用しており、三ツ星ベルトの製品が使われています。スシローは日本国内で646店舗あり、デジローを採用しているのは84店舗です。残り8割の国内店舗に導入され、海外店舗にも展開されると思います。他の回転寿司チェーンも真似をするので、このコンベア需要はさらに拡大すると思います。補修需要も含め、成長に期待が持てます。
実際どれくらい業績に貢献するのでしょうか?

幅20㎝×周長40mの一般搬送用ベルトが25千円で販売されていました。3レーンあり、個別レーンの小さい長さのコンベアがあるとして、1店舗25×4=100千円、500店舗全てに採用された場合、100×500=50百万円。業績への寄与度は大きくなさそうです。
株主優待(+%):なし
個人的な好み(+30%):
自己資本比率が高く、無借金経営でキャッシュリッチな所が魅力的です。株主還元にも積極的でDOE5.4%程度(1株当たり配当180円/年以上)、24年度の中計3年間では30億円(年間ベース10億円)の自己株買いを予定しています。前期まで配当性向100%としており、24年度は減配に見えますが、十分魅力的な水準です。
回転寿司チェーンのコンベアによる成長も期待でき、カタリストもあるので積極的に購入したいです。
個人的な目標株価
PER236×14倍=3,304
PBR3,403×0.7倍=2,382
プレミアム2,843×0.9×1.05×1.1×1.3=3,842
関連ブログ

※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上
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