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長瀬産業(8012)

企業分析
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世界的なエネルギー価格の上昇とインフレ進行により、商社の業績と株価が好調です。

長瀬産業は、専門商社に分類され、半導体素材など化学分野で強みを有しています。日本は半導体材料で圧倒的な技術力を有しており、半導体の需要高まりで、長瀬産業も成長できると思い、調べました。

電子材料・合成樹脂等の化学品専門商社首位。
医薬中間体等も展開。
傘下にバイオの旧林原も

四季報

沿革

1832年 京都西陣において創業、染料・澱粉・ふのり類を販売

1900年 スイス・バーゼル化学工業と取引開始

1964年 株式を公開

1968年 米国・ゼネラルエレクトリック社と代理店契約締結

2012年 林原(岡山市、現ナガセヴィータ)の株式を取得

2019年 米国・イリノイにおいて食品素材等の販売、加工、および最終製品の受託製造を行うPrinova Group LLC(現・連結子会社)の持分を取得

2020年 米国・ウィスコンシンにおいて樹脂等の製品、技術、製造プロセス開発を行うINTERFACIAL CONSULTANTS LLC(現・連結子会社)の持分を取得

事業内容

機能素材:

塗料・インキ、顔料・添加剤関連、樹脂、ウレタンフォーム、有機合成、界面活性剤、エレクトロニクスケミカル、情報印刷関連材料、通信機材、水処理関係、金属加工、樹脂/フィルム加工、文具、機能性フィルム・シート、衛生材料等の業界に対して、主な商品として塗料・インキ、染料、顔料、添加剤、加工顔料、分散体、機能性色素、感熱紙材料、トナー・インクジェット材料、接着剤用原料、ウレタン原料・副資材、樹脂原料、樹脂添加剤、油剤原料、水処理関連原材料、界面活性剤原料、フッ素ケミカル、封止材原料、5G関連素材、シリコーン原料、環境ソリューション・環境関連商材、焼結金属フィルター、導電塗料等を販売

加工材料:

OA機器、家電、電機電子、携帯電話、ゲーム、パッケージ、コスメティック、建材等の業界に対して、主な商品として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合成樹脂製品、樹脂成形機・金型等を販売

電子・エネルギー:

半導体、電子部品、AR/VR、環境エネルギー、3Dプリンティング、重電・弱電、HDD、車載・航空機関連、ディスプレイ、タッチパネル、住宅、照明、再生エネルギー、大型商業施設等の業界に対して、主な商品として変性エポキシ樹脂、フッ素製品、精密研磨材料、半導体アセンブリ材料および装置、接着・封止材料、ディスプレイパネル用部材および装置、ディスプレイ製造工程用薬液管理装置、低温・真空機器、液状態分析装置、LED、3Dプリンティング関連商材、太陽光パネル等を販売

モビリティ:

モビリティ全般および関連業界に対して、主な商品として合成樹脂全般、二次電池用素材、内外装用素材、機能部品用素材、電動化用製品、センサー部品、車内エレクトロニクス用製品、車載ディスプレイ関連部材、自動運転用製品等を販売

生活関連:

医薬、食品・飲料、化粧品、農業、トイレタリー、ヘルスケア等の業界に対して、主な商品として医薬原料、研究用試薬、診断薬、食品素材、食品添加物、酵素等加工助剤、スポーツニュートリション、プレミックス、化粧品原料、化粧品添加物、界面活性剤、農業・水産・畜産関連材料を販売しており、主なサービスとしてエンドトキシン除去、放射線測定を提供しております。また、最終消費者に対して、化粧品、健康食品、美容食品等を 販売

業績

業績売上高営業利益経常利益当期利益一株益()一株配()
22.3780,55735,26336,49725,939213.554特
23.3912,89633,37132,52823,625199.570
24.3900,14930,61830,59122,402195.080
25.3944,96139,07838,38225,521230.490

セグメント

有価証券報告書25年3月期

財務諸表 単位:億円(%:資産/売上に対する比率)

資産

現金預金663(8%)
有形固定資産917(11%)
のれん254(3%)

投資有価証券720(9%)        
日本ペイントHD、ダイキン工業、三井住友FGなどを有しています。

負債

有利子負債1,728(21%)

純資産

自己資本比率49.4%
配当性向38.7%
利益剰余金3,122(39%)

損益計算

売上高
営業利益率4.1%
経常利益率4.1%
当期純利益率2.8%

キャッシュフロー

投資額

科目前期当期
減価償却費140153
固定資産 に対する支出178152

株主還元

科目前期当期
自己株式の取得80170
配当金の支払9396

株価 個人的な購入価額

2,748.5円(2025.6.18)

時価総額302,083百万円(15:30)
配当利回り(会社予想)3.46%(15:30)
1株配当(会社予想)95.00円(2026/03)
PER(会社予想)(連)9.46倍(15:30)
PBR(実績)(連)0.75倍(15:30)

EPS(会社予想)(連)290.42(2026/03)
BPS(実績)(連)3,679.09
ROE(実績)(連)6.44%
自己資本比率(実績)(連)49.4%

直近5期の平均EPS:198円

需要・顧客構造(▲5%):

機能素材、加工材料、電子・エネルギー、モビリティ、生活関連など多角的に事業を展開しており、販売先がアジア・米州・欧州と幅広く分散しています。

ただ、商社なので世界の景気動向によって業績が大きく左右されそうです。

競争環境(+10%):

会社四季報業界地図によると、総合商社は三井物産・三菱商事・伊藤忠商事・丸紅・住友商事で、豊田通商・双日・兼松が続きます。専門商社の化学の分野に長瀬産業、稲畑産業、三井物産プラスチック、伊藤忠プラスチックス、オー・ジー、明和産業がいます。

長瀬産業は研究開発活動に積極的で、売上高の0.6%を占める57億円を支出しています。

他の商社で研究開発活動を行っている所が少なく、長瀬産業は商社の中では特異だと感じました。神戸ポートアイランドにバイオ研究中核拠点を建設中で最大100億円投資し27年4月以降の開設を見込んでいるようです。電子・エネルギーの研究開発額も大きく、顧客との共同研究による販売先拡大に期待が持てます。

ビジネスモデルの有望性(+5%):

電子材料・半導体関連の事業に強く、熊本のTSMC、北海道のラピダスの稼働により、事業を拡大できそうです。

株主優待(+5%):

長瀬優待カタログが保有株数に応じてもらえます。100株で1,500ポイントもらえ、3年以上の長期で3,000ポイントがもらえます。商品を見る限り、魅力は少ないと感じます。

個人的な好み(+5%):

自己資本比率が49.4%と商社の中で高く、財務が安定しています。2025年度において総還元性向100%とし、16期連続増配を予定しています。積極的な株主還元が魅力的です。

ただ、1つ腑に落ちないのは、生活事業に対して積極投資していることです。10年前の生活関連事業の売上比率は1割程度でしたが、足元3割程度に上昇しています。長瀬産業は2012年岡山の林原(現:ナガセヴィータ)というバイオなどの研究所を有する会社を買収しました。生活事業の新たな事業の創出により、会社が多角化し業績は安定しますが、強みを持つ化学と生活関連(バイオ)にシナジーがあるとは思えません。セグメント利益率も生活関連事業が劣っているので、事業を売却し、本当に強みのある化学領域に資源を全集中した方が良いと思います。

個人的な目標株価

PER198×14倍=2,772
PBR3,679×0.7倍=2,575
プレミアム2,674×0.95×1.1×1.05×1.05×1.05=3,235

※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。

以上

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