2025年6月下旬。琵琶湖に流れ込む河川で小鮎釣りをしました。今年の琵琶湖の小鮎は、少なく、3か所回って1匹も釣れませんでした。悔しかったので、湖北の道の駅塩津街道あぢかまの里で500g1,100円の小鮎を買って帰りました。
マキノ町知内川
琵琶湖の北側の高島町マキノ町を流れる知内川は小鮎釣りで人気な所です。私も過去5回、知内川に家族と友人で来ており、いつも2時間で20匹程度は釣っていました。
マキノグランドの横に車を置いて少し上流で釣りスタートです。

知内川の下流には梁という地元の漁協が川を堰き止めて、小鮎を獲っています。梁で小鮎の遡上は少なくなるものの、20日に1度は梁を開放し、大雨の時にも梁開放するので、ある程度は小鮎が登っているはずです。
エサは、シラス団子とパン粉を混ぜたものを、カゴに入れて釣りました。しかし、いつまで経ってもアタリがありません。水中を見ると、

全く小鮎の姿がありません。手慣れたおっちゃんは小鮎を何匹か釣っていました。しかし、私を含め、遠くから来たであろう素人達は釣れていませんでした。今年の琵琶湖は小鮎の数が極めて少なく登ってくる小鮎も少ないようです。下流に場所を移動してダメだったので、河川を変えることにしました。
ゴミを拾ってくださっている人がいて、感謝の気持ちを伝えました。自分もゴミを捨てないのはもちろん、ゴミを見つけたら拾って帰ろうと思いました。来た時よりも美しく。心がけていこうと思います。
塩津大川
車で20分程度移動して、湖北の塩津大川に来ました。

道の駅の近くには、家族連れが多数、小鮎釣りを楽しんでいました。橋の上から小鮎の姿が見えるものの、ニゴイも多く、小鮎の数は少なそうです。知内川よりも水量が少なく、小鮎が生息できそうな所も少ない印象です。
小鮎が群れている所に陣を取り、釣りスタート。

小鮎はいるものの、シラスに全く興味を持っておらず、鮎は石に着いた苔をむしり取って食べていました。小鮎の遡上量が少ないこと、シラスで釣れる小鮎はすでに釣り切られているからでしょうか?全く釣れません。
網で辛うじて1匹掬えました。その1匹も小さいからと、娘にキャッチ&リリースされました。それにしてもニゴイが多く生息しています。40センチのニゴイが横を流れています。頑張れば掬い上げられそうです。
道の駅 塩津海道 あぢかまの里
塩津大川の近くにあり、歩いて川まで行けます。
道の駅で昼食をとり、店内を散策すると、小鮎が売っていました。

琵琶湖産沖すくい漁小鮎500グラム1,150円。高い!!阪急百貨店で小鮎を売っていることがありますが、ここまで高い小鮎は初めて見ました。それだけ今年は不良なのでしょう。せっかくここまで来たので買って帰ることにしました。
同じ売り場に、「ビワマス」のアラが200円で売っていました。ビワマス・ニンジン・大根・こんにゃく・豆腐を味噌で煮込んだあら汁にしました。非常に美味しかったです。アラなので骨が多く食べづらかったのですが、ビワマスには全く臭みがありませんでした。臭み消しにショウガを入れたのですが、ショウガは必要なかったです。
北小松浜水泳場
諦めきれず、高島市の少し下大津市北小松浜に来ました。ここは、滝川が伏流水になって、水質が良く、花崗岩質の波辺が美しいです。6月下旬でしたが水泳場がオープンしており、2,000円で駐車できました。

小鮎の姿は見えたものの、サイズが小さく、数も少ないようです。シラスを撒いても小鮎の群れができず、釣れませんでした。浜辺を散策して帰りました。
反省
仕掛けは小鮎完全セット2.5号を使用しました。小さい小鮎やすれた小鮎が多く、針が大きいと警戒して食ってこなかった気がします。針は2号くらいが良かったと思います。
去年はマルキューの鮎乱舞にシラスを混ぜて釣りをしました。
鮎乱舞はキラキラ光り、鮎の興味を誘うので、混ぜればよかったと思いました。
琵琶湖の大アユと小鮎
琵琶湖には成長しても10cm以下で親になる「小鮎」と、琵琶湖に流入する河川に遡上し普通のサイズの親にまで成長する「大アユ」がいます。生態系を見ていくと、小鮎は8-9月にかけて産卵するのに対し、大アユは通常のアユ同様10~11月です。両者の間には完全に生殖隔離が成立していて、遺伝子の交流は無いのでしょうか?
実はこの小アユと大アユは分子遺伝学的な解析を行うと世代交代を行う同じ個体なのです。この鮎が世代交代を行い個体が変化する理論はスイッチング・セオリーと呼ばれています。
春先から初夏(3~5月)流入河川に遡上してくる鮎(早期遡上群)は、前年の産卵期のうち早く生まれた個体(小鮎から生まれた個体)です。一方、夏になっても琵琶湖の中に残っている個体(湖中残留群)は、前年の産卵期のうち遅い時期に生まれたもの(10~11月に大アユから生まれた個体)です。つまり、早く生まれたアユは早く湖に流下して湖で越冬した後、翌春早々に寡占流入河川に回遊して大アユになる。一方、遅く生まれたアユは湖へ流下して湖中にいつまでも居続けて小鮎になる。すなわち、孵化する時期の早いか遅いかが、河川に遡上するか、湖内に在留するかを決めていたのです。
世代が変わるたびに大アユと小鮎の交代が起こらず、大アユと小アユがしっかりとした別集団を作っていて種分化の過程にあるとしたらあるとしたら変なことになります。小鮎は遅く生まれ、早く散乱して早く死ぬので寿命は1年より短い10か月余りとなり、逆に大アユは早く生まれ、遅く散乱するため、1年より長い14か月ほどになる。そうすると両社の産卵時期は年々1~2ヶ月ずつ離れていくことになります。
面白いですね。小鮎の生息数を考えるうえで、小鮎だけを考えるのではなく、大アユの生態系も考えて、保護・増殖していくことが必要なのかもしれません。
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