東京都奥多摩川には小河内ダム・白丸ダムと4つの水力発電所があります。その中の1つ、氷川発電所がある海沢(うなさわ)川で渓流釣りをしました。ヤマメの釣果が良好で奥多摩川の発電所、移動手段に使ったE-BIKEの解説するので参考になれば嬉しいです。
奥多摩川海沢川
奥多摩川の真ん中辺にある渓谷で下流に奥多摩釣り堀cafe二見、アメリカキャンプ村、東京都奥多摩さかな養殖センター・牧野養魚場があります。

海沢川は、大岳山(1,266.5m)という武蔵御岳山の奥にある山を源としています。下流は砂岩質で伏流水となっており、養魚場での水利用もあり、川が枯れていました。道路が並走しているので、上流に向かいます。
この川は、奥多摩漁協が管轄し、遊漁券を古里のセブンイレブンで購入できます。24時間空いているコンビニで遊漁券が購入できます。
駐車できない事態を想定し、鳩ノ巣駅のタイムズに車をおいて、電動マウンテンバイクE-BIKEで来ました。ただ、海沢川には道路が並走しており、上流まで駐車できそうなスペースがありました。

電動なので上り坂なんてなんのその。スイスイ登ってきました。
良いポイントにはヤマメ

道路がすぐ脇に並走し、入渓ポイントがたくさんあります。登りやすいフラットな渓谷に良淵が多くあります。海沢川は流域面積の割に水量が少なく感じました。

綺麗な15cmのヤマメがミミズに食いついてきてくれました。前日、降雨があり、活性が高く、チビから良型まで魚影が濃く、積極的にエサに食いついてきます。

20cmオーバーのヤマメの横側面に毛ばりが残っていました。登りやすい渓谷で、足跡も多くあり、釣り人が多いのでしょう。釣り叩かれている気がしました。

高低差はなくとも、淵が多く釣り甲斐があります。時折砂防ダムがあります。

砂防ダムの上はゴルジュ地帯になっており、夏には沢登りをする人もいるようです。
奥多摩川の発電所
奥多摩川の上流には小河内ダムという巨大なダムがあります。築造計画は大正15年で、昭和13年に始まり、戦争を経て、昭和32年に完成しました。建設途中に87名もの殉死者を出しました。建設工事のすさまじさを感じます。
奥多摩川は4つの発電所があります。まず小河内ダム直下に多摩川第一発電所があり、最大出力19千KW(常時5.4kW)の電力を生み出しています。その後、ダム直下に取水口があり、山の中に存在する導水管で下流に運ばれます。

途中にしだくら沢と栃寄川と大沢で取水し、氷川発電所調整池に送られ、落差を利用し、氷川発電所に送られます。


氷川発電所は最大出力8.2千kW(常時1.5千kWh)で海沢川に放流されます。本流のすぐ下流には白丸ダムがあります。

この白丸ダムは、規模が小さく、貯水量も多くありません。白丸ダムの下流、古里あたりで渓流釣りをしていると、サイレンが鳴り、急に増水することがあります。水位が大幅に増えるので、特に注意が必要な所です。

白丸ダムの直下に白丸発電所があります。この発電所は平成12年に新設された発電所で最大出力1.1千kW(常時0.13千kW)と他の発電所と比べると小規模です。
白丸ダムの堰堤横から導水路を通じて3km下流の御岳駅までトンネルによる導水路があり、多摩川第3発電所まで運ばれます。多摩川第三発電所は最大出力16.4千kW(常時6千kW)です。ちょうど奥多摩フィッシングセンターの下ぐらいに発電所の取水口があります。中学生の頃は、フィッシングセンターから流れて来るニジマスを狙って、この場所で釣りしていました。
多摩川第一発電所と白丸発電所と多摩川第三発電所は、都営地下鉄を運営する東京都交通局が管理しています。一方、氷川発電所は東京電力HDの子会社である東京発電が管理しています。
隙間なく発電している奥多摩川の発電事業に感動すら覚えます。
水力発電が日本を救う
ある人が「ダムの嵩上げによって発電量を増やせる」と私の動画にコメントしてくれました。図書館にあった「水力発電が日本を救う」(竹村公太郎)の本を借りて勉強しました。

河川の利用は「特定多目的ダム法」「河川法」による規制を受けます。これらの法律は半世紀前に骨格が作られ、台風が来て暴風雨になって、停電の中で洪水調整のゲート操作をしなければならない昭和30年代の社会事情と技術水準に合わせて規定されています。そのため、治水容量を確保する必要があります。
しかし、気象予報が進歩し、遠隔操作ができる現在では、発電ダムの能力を最大限発揮する足かせとなっています。この本では新たなダムの建設なしに、水力発電量を2倍に増やせると書いてあります。具体的な方策は
- 多目的ダムの運用を変更(河川法や多目的ダム法改正)ダムの運用方法を買えればダムの空き容量を発電に活用
- 既存ダムの嵩上げをすること、新規ダム建設の3分の1以下のコストで既存の発電ダムの能力を倍に増大
- 発電に使用されていないダムでの水力発電の実施
- 砂防ダム・農業用水路などにおける1,000kWh以下の小水力発電
ダムは耐用年数が長く、エネルギー源は水力なので、エコな発電です。100年200年後も電力を生み出し続けるので、未来の世代に繋いでいきたい発電だと思いました。
HELLO CYCLEの電動マウンテンバイク良い
今回釣り場へは、JR鳩ノ巣駅に設置されているHELLO CYCLEのシマノの電動マウンテンバイクE-BIKEを借りました。

無人のシェアサイクルなので朝早くでも借りることができます。悪路の上り坂も問題なく漕ぎ上がれます。電動自転車なので25km/h以上の速度になると、アシストが無くなりますが、20km/hくらいのスピードが出ます。シマノのパーツが利用されており快適です。

変速も何段階もあります。

4時間程度利用し、3,000円程度だったのでお手頃でした。山道や悪路でも走破できるので、渓流釣り向きの自転車だと思います。今は奥多摩には、古里駅と鳩ノ巣駅にしか設置されていませんが、終点の奥多摩駅にも置いてほしいです。
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