昨日まで1週間、ドイツのミュンヘンとオーストリアのウィーンを旅行していました。地下鉄の案内表示やスーパーの商品説明、ホテルの家電の操作方法など、ドイツ語しか書かれていない場面が多くありましたが、ChatGPTやGoogle Geminiのおかげで、その場ですぐに内容を理解することができました。
以前であれば翻訳アプリで文章を読み取る程度でしたが、生成AIは単なる翻訳だけでなく、「何を意味しているのか」「どう行動すればよいのか」まで教えてくれます。海外旅行でも生成AIは欠かせない存在になったと実感しました。
生成AIの普及によって注目されるのは半導体メーカーですが、その裏では半導体材料や関連部材を供給する企業にも恩恵が広がっています。
そこで今回は、印刷会社として知られていたものの、現在では半導体部材や包装材、デジタルソリューションへと事業を大きく変革しているTOPPANホールディングスについて調べました。
TOPPANは長年培ってきた印刷技術を応用し、半導体製造に欠かせないフォトマスクを手掛けてきました。フォトマスクとは、半導体回路をシリコンウエハーへ焼き付ける際に使用する「原版」です。印刷で版が重要であるように、半導体製造でもフォトマスクの精度が回路品質を左右します。
フォトマスク事業は2025年にテクセンドフォトマスクとして上場し、TOPPANは連結子会社から持分法適用会社へ移行しました。半導体市場は今後も成長が期待されるため、連結利益を直接取り込めなくなったことだけを見ると、少し惜しく感じます。
一方で、独立上場によって市場から適正な企業価値の評価を受けられるようになり、TOPPANとしても保有株式の価値向上や将来的な売却益を得られる可能性があります。近年は親子上場の解消や事業ごとの資本効率を重視する企業が増えており、TOPPANも資本市場を活用した経営へシフトしているように感じました。
印刷業界2強。
印刷技術基盤に半導体部材、包装資材等に展開。
持分にテクセンドフォトマスク四季報
沿革
1900年 凸版印刷として設立
1927年 大阪大淀工場を新設
1949年 株式上場
2019年 図書印刷を完全子会社化
2025年 テクセンドフォトマスクがプライム市場に上場し、連結子会社から持分法適用会社へ移行
事業内容
「情報コミュニケーション事業分野」:証券類全般、通帳、カード類、ビジネスフォーム、カタログ等広告宣伝印刷物、雑誌・書籍等出版印刷物、BPO(各種業務受託)
「生活・産業事業分野」:軟包材・紙器等パッケージ類、プラスチック成型品、インキ、透明バリアフィルム、化粧シート・壁紙等建装材
「エレクトロニクス事業分野」:液晶カラーフィルタ、TFT液晶、反射防止フィルム、フォトマスク、半導体パッケージ製品
業績
| 業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
| 連22.3 | 1,547,533 | 73,505 | 76,318 | 123,182 | 365.2 | 44 |
| 連23.3 | 1,638,833 | 76,636 | 81,172 | 60,866 | 185.1 | 46 |
| 連24.3 | 1,678,249 | 74,286 | 82,812 | 74,395 | 231.6 | 48 |
| 連25.3 | 1,717,960 | 84,086 | 88,582 | 89,348 | 296.0 | 56 |
| 連26.3 | 1,805,033 | 67,108 | 75,724 | 64,801 | 227.1 | 58 |
セグメント

財務諸表 単位:億円(%:資産/売上に対する比率)
資産
現金預金4,389(17%)
有形固定資産6,538(26%)
のれん1,038(4%)
投資有価証券3,401(13%)
負債
有利子負債5,222(20%)
純資産
自己資本比率52.3%
配当性向25.5%
利益剰余金9,908(39%)
損益計算
売上高
営業利益率3.7%
経常利益率4.2%
当期純利益率3.9%
投資有価証券売却益
前期1,733、当期542(3.0%)
キャッシュフロー
投資額
| 科目 | 前期 | 当期 |
| 減価償却費 | 780 | 792 |
| 固定資産に対する支出 | 1,447 | 1,480 |
株主還元
| 科目 | 前期 | 当期 |
| 自己株式の取得 | 1,027 | 300 |
| 配当金の支払 | 149 | 174 |
株価 個人的な購入価額
4,527円(2026.8.2)
時価総額1,334,135百万円(07/31)
配当利回り(会社予想)1.28%(07/31)
1株配当(会社予想)58.00円(2027/03)
PER(会社予想)(連)23.21倍(07/31)
PBR(実績)(連)0.95倍(07/31)
EPS(会社予想)(連)195.08(2027/03)
BPS(実績)(連)4,742.83
ROE(実績)(連)4.93%
自己資本比率(実績)(連)52.3%
直近5期の平均EPS:261円
進捗:―
需要・顧客構造(+5%):
書籍や教科書などの日用必需品の印刷、パッケージ印刷やリチウムイオン二次電池外装材やディスプレー・半導体関連など多種多様な業種に製品を供給しており、特定業種に依存しないバランスの取れた事業構成になっていると思います。

国内売上比率は60%であり、国内で歴史のある会社の中では海外比率が高いと思います。
競争環境(+5%):
TOPPANは印刷会社というイメージがありますが、現在では情報コミュニケーション、包装材、建装材、半導体部材、BPOなど事業領域が非常に幅広く、単純に競合企業を挙げることが難しい会社です。
ただし、年間268億円もの研究開発費を投じており、それぞれの分野で独自技術を蓄積しています。また、一つの事業が不調でも他事業が補うことができるため、景気変動への耐性が比較的高い点も強みだと思います。
ビジネスモデルの有望性(+10%):
フォトマスクを扱っていたテクセンドフォトマスクが2025年10月に上場して、連結子会社から持分法適用会社になりました。半導体業界は生成AIの拡大により成長が期待でき、持ち分比率の減少により、利益の取り込みが減少するのは残念です。一方で、半導体業界は変化も大きく、成長期待から株価指数も高くなりやすく、さらなる持分の売却により、株式売却益として利益を取り込むことができそうです。
しかしTOPPANは印刷技術を活かし、
半導体部材
リチウムイオン電池外装材
高機能包装材
BPO
DX支援
など、新しい市場へ次々と展開しています。既存事業を守るのではなく、技術を横展開して成長市場へ移る企業文化があり、100年以上続く企業とは思えない変革力を感じます。
株主優待(+5%):
100株保有で、電子書籍サービス「ブックライブ」で利用できる2,000ポイント相当のデジタル図書券がもらえます。電子書籍を利用している人には魅力的な優待ですが、私は普段から楽天Koboを利用しているため、新たにブックライブへ登録し利用先を変更する必要があります。そのため、私にとって株主優待の魅力はそれほど大きくありません。
個人的な好み(+5%):
自己資本比率が高く財務が安定しています。株主還元政策は連結総還元性向30%以上としています。事業変革力があり、人材の競争力が高い気がしますが、馴染みがなく、TOPPANHDの事業領域が広くて、調査不足ということもあり、現時点では購入に消極的です。
個人的な目標株価
PER261×14倍=3,654
PBR4,743×0.7倍=3,320
プレミアム3,487×1.05×1.05×1.1×1.05×1.05=4,662
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上

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